VOICE of PR Planner (2013年7月)

PRマインドでイベントの持続的成長を後押しする  

(株)セレスポ 経営戦略室 兼 サステナブルイベント研究所 所長

越川 延明

  ビルコム(株)の中堀さんからバトンを受け継ぎました(株)セレスポの越川延明です。PR会社でもなく、自社の広報担当でもなかった私がPRプランナーの資格取得を目指した理由を、自己紹介を交えながら説明します。 弊社はセレモニーとスポーツを創業事業とするイベント制作会社です。社名のセレスポは「セレモニー&スポーツ」の略から生まれた造語です。セレモニーは記念式典や行事、スポーツは競技大会やレクリエーションとしてのスポーツイベントの制作を行っており、現在は総合制作としてイベント全般への対応をしております。 私は新卒以来ずっと同じ会社に所属しており、会場管理、営業、管理部門と職種を変えてきました。その中で、PRをきちんと学ぼうと思ったのは営業の時です。以前から販促イベントを請け負うことはありましたが、PR会社や企業の広報部の方と仕事をする機会が増えてきたことから、PRイベントがどういう位置づけの中で行われているのかを理解しようとしたことが資格取得を目指した発端です。ちょうど広報やPRという言葉に注目が集まり始めたことも後押ししたような気もします。当時は広告宣伝と広報の違いもよく分かっていませんでしたが、受験を通じてPRというものを広く考えることができ、自身の業務だけでなく、クライアントに対する理解も進みました。 現在は受験を通じて学んだ知識や交流会を通じて知り合った方からの刺激を糧に日々の業務に生かしています。これについても、私が本業として携わっていないため、フラットな立場で多くの方の意見を受け入れやすく、実践しやすいのかもしれません。そう考えると、業界や職種にこだわらず、より多くの方とPRパーソンが話を持てる機会があると面白いことが生まれる気がします。また、PR業界の周辺にいる者からすると、目先の目標を達成するためにPRが使われていることが多い印象があります。もっと社会的な課題、企業の命題に取り組むためにPRを生かす企業・団体が増える社会になってほしいと感じています。パブリックリレーションズとはそれくらい大きいことだと思います。そのためにも協会の活動として、業界の活性化だけではなく、社会全般にパブリックリレーションズを広めてほしいと思います。 私の業務として、7月に社内組織として「サステナブルイベント研究所」を設立しました。これは経済活動の大きなテーマであるサステナビリティ(持続可能性)をイベントマネジメントに生かすことを目的としています。既に国際イベントでは重要な評価項目となっていますので、国内イベントに対しても社会的な価値観を強め、競争力を高めていこうとの考えから立ち上げました。国際標準規格『ISO20121:イベントの持続可能性に関するマネジメントシステム』の策定メンバーに私が入っていたこともあり、この視点の必要性を意識したこともあります。興味深いことは、他国のメンバーに「サステナビリティに向き合うキーワードは?」と質問をすると殆どのメンバーが「パブリックリレーションズ」と答えていることです。ひょん なことから私が所属しているイベント業界、刺激を受けているPRとサステナビリティが繋がりました。今後はPRマインドを持ち、イベントを通じて社会貢献をしていこうと考えています。 運動会も請け負っている弊社の感覚では4番目にバトンを受け取る人はアンカーなのですが、このリレーはまだまだ続きます。次回は私のアンテナのちょっと先に好奇心をくすぐるものを用意してくれる、東京国立近代美術館の稗田竜子さんにバトンを渡します。