VOICE of PR Planner (2014年2月)
点を線に、線を円に、円を縁に
(株)プランタン銀座
飯塚 久美
JALUXの増茂さんより、バトンを受け取りましたプランタン銀座の飯塚でございます。ランナーでありパン作り名人、と素敵なご紹介をいただきましたが、自ら焼いたパンで摂取したカロリーをランニングで消費する、という自己完結型の趣味を10年程続けています。広報歴も同じ位で、広告代理店勤務を経た後に、興味があった編集者を目指す際に「取材される側の経験も役に立つかも」と、広報アシスタントを募集していた弊社に入社しました。そこで面白さに目覚め、雑誌媒体中心のファッションプレス的な仕事を経て、現在は社内外の広報業務全般に携わっています。 プランタン銀座は、フランス・パリの百貨店 「プランタン」との提携店として1984年の開店以来「20代、30代の働く女性のためのファッションスペシャリティストア」として女性のライフスタイルをバックアップし今年30周年の節目を迎えました。広報は、日々のメディア対応に加え、顧客層向けのイベントも担当しています。例えば「女子会」企画は、このワードが定着する前の2006年から継続しています。館で売っているワンピースやスイーツは「モノ」ですが、着る場所、食べるシーンを含め提案する「コト」消費を促進し、ファンづくりに努めています。 私が広報として大事にしている姿勢で「点を線に、線を円に、円を縁に」というのがあります。女子会企画も、単店舗ではニュースにならなくても、お取引先や媒体を巻き込み、点と点を繋いで線へ、円へと広がりを持たせることでバリューが上がり、取り組み自体に取材が入るまでに成長しました。 長年の名物催事である新春の福袋も同様です。2013年に隣接する阪急メンズ東京とのコラボレーション福袋を企画しました。「街コン」をテーマに福袋を購入した男女による「デパコン」を開催する、というもの。福袋を他百貨店と一から作り上げるのは日本初の試みだったのではないでしょうか。取材件数も前年比130%と伸長し、当日は4,000名の方にお並びいただきました。 2014年にはコラボ福袋第2弾も実施し、しっかりと縁は繋がれています。これからも「日々がんばっている、女性をハッピーにする」という軸をぶらさず、様々な点を繋いで楽しい企画を組み立てていこうと思います。 さてPRプランナーを受験した経緯ですが、当時の女性役員からの勧めで2008年に受験しました。そして恥ずかしながら3次で不合格に!現在でも月平均70件の取材、情報誌が今より活況だった当時は月100件以上のペースで取材を受けていたので、経験値の高さでは自信があったのに!?とションボリ。さっそく次回の再試験に向けて、広報計画の組み立てを中心に特訓しようと思いました。百貨店は年間通じて歳時記の施策が短いタームで絶え間なくあり、ネタには事欠かない為それまでは広報計画の必要性が感じられませんでした。しかし、勉強しているうちに自分は「こなす」ことは上達したけれど「自分の頭で考える」ことが未熟なままであったと思うに到りました。今ではこの時の経験を後輩に笑い話として話しながら、自分で考えることの重要性を伝え、必ず広報計画を立てて共有しています。 PRプランナー交流会での様々な業界の同職種の方との出会いは、普段あまり外に出る機会のない自分へのご褒美の場です。みなさんその道のエキスパートばかり。惜しみない助言を与えてくださり、メディアの方や取材企画をご紹介いただくことも。目先の利益に繋がらなくても、点は必ず縁へと繋がるとここでも感じています。そんなお得な会なのです(準備委員なのでちょっぴり宣伝)。 世が流れて、広報の仕事も多岐に渡るようになりました。我々の仕事に絶対の正解があるわけではありません。しかしPRプランナーという資格を通じて、ひとつの大きな指針を学ぶことは可能です。資格ホルダーがひとりでも多く活躍し日本の広報業界全体のさらなる発展につながることを願っています。 さて、大事なバトンは尊敬する女性広報パーソンのおひとり、パナホームの古矢直美さんに繋ぎます。とある広報パーソン宅のホームパーティーでも同席させていただきましたがいつも優しい笑みを湛えながらお酒を飲むお姿がクールです。意外と熱い一面が語られることと、楽しみにしています!