VOICE of PR Planner (2014年7月)
企業市民としての意義を伝え、ロイヤルティの醸成に貢献したい
アイ・エム・エス・ジャパン(株)
山口 司郎
アイ・エム・エス・ジャパン株式会社で広報部に所属しております、山口司郎と申します。 この度、川崎重工業株式会社 坂本友紀さんからバトンを引き継ぎました。2007年にIMSジャパンへ入社し、2009年からマーケティング・コミュニケーションを経て、広報担当として現在に至っています。昨年、無事にPRプランナー試験に合格しました。PRプランナーの受験動機は、業務に埋没しがちだった私に上司の薦めもあり、ここで広報業務の全体像をとらえ直そうと一念発起しました。担当業務の位置づけや企業における広報機能を再確認してみようと挑戦した次第です。 IMSという社名は Intercontinental Marketing Services の略で一般的に聞き慣れないかもしれません。現在100カ国以上に拠点を持ち、半世紀以上にわたり医薬品の流通情報を集積し、お客様へ市場データとしてご提供してきました。IMSのデータは、何の処方薬が、いつ、どこで、どれくらい流通したのかをほぼ網羅的に把握しています。医薬品産業は、各専門医に合わせてより高度な情報提供と使用実態のフィードバックを繰り返し、医薬品の適正使用を推進することで、病気で苦しむ患者さんを助けています。その活動を最適にするための市場分析、戦略立案、組織構築、活動の検証・評価など、ビジネスの様々な意思決定やPDCAにIMSのデータをご活用いただいています。 近年は、市場データにテクノロジーやコンサルティングなどのサービスを加えて、より一層ヘルスケアへの貢献度を高めたいと願っています。2014年は日本法人設立50周年を迎え、さらにこの4月に米国本社がIPOとなり、国内外でIMSにとってエポックメイキングな年になりました。 私の主な担当業務は、社内コミュニケーションでは、社内報の編集兼記者としてコンテンツの企画取材掲載を担っています。社内の新しい取り組みやプロジェクトなどを「業務」と「ヒト」の目線に分けて取り上げています。年間20本以上の記事がありますので、取材調整、記事化にかなりのリソースを割きます。「プロジェクトX」や「プロフェッショナル 仕事の流儀」的な要素を持たせつつ、この情報発信で人や組織に対するロイヤルティが高まること、ビジネスの理解・周知が深まることを意識しています。社外コミュニケーションでは、メディアリレーションズも強化しています。メディアの方々にとってIMSの魅力はやはりデータです。記事の根拠となる市場規模、医薬品や製薬企業の売上ランキングなどに活用されますが、今後は企業市民として価値提供となる情報発信も必要だと思っています。メディアリレーションズに際しては、企業活動の社会的意義を熟慮し、客観的な情報提供になるよう心がけています。メディアセミナーへのご参加や日頃のお問合せ対応も貴重な機会として、今後の関係構築につなげています。例えば、企業情報やスポークスパーソンのプロフィールをご提供し、取材のきっかけ作りや勉強会の開催など、IMSと言う企業を知っていただくための機会創出を図っています。 企業や社員に関する記事掲載で、社内へ還元されるPR効果を実感するようになりました。身近な人が取り上げられることで、社内でも連鎖的に記事が共有され、職場の誇り、社員の関心は高まっていきます。社員のご家族にとっても会社への親しみや信頼がわいてくるでしょう。私にとっては、このような社内コミュニケーションへの波及も成長や挑戦の糧になっているといえます。 誠にお恥ずかしながら、現時点でPRプランナーとして胸をはれる成果はないのですが、試験準備段階から現在に至るまで、多くの気づきや学びをいただきました。例えば対策講座で、記事から遡ってのリリース作成、再三のPRと広告を混同していないかというチェックは、意識を変えることに大きく影響しました。広告にならないようにと言う留意点は、企業価値を公益性、新規性、そして医療貢献とクロスオーバーしてとらえる視点が養われたと思います。グループ演習では、異業種の受講生の方々との意見交換し、貪欲で前向きな時間だったと記憶しています。この新たな仲間との出会いも大きな財産になりました。 PRプランナーとはつくづく豊かな人間力が必要と痛感するのですが、具体的に書くと自分でハードルをあげてしまいますので、このバトンはまさに豊かな人間力で尊敬できるPRプランナー、株式会社オリコムの川野辺哲郎さんに託したいと思います。気の利いた「VOICE of PR Planner」をお聞かせくださる筈・・・と川野辺さんのハードルを上げつつ、次回へ続きます。