VOICE of PR Planner (2017年3月)

PRの可能性  

(株)井之上パブリックリレーションズ

髙野 祐樹

  はじめまして、株式会社井之上パブリックリレーションズの髙野祐樹と申します。 当社は、1970年創業の独立系総合PR会社で、東京五輪が開催される2020年には50周年を迎えます。 今年度、2016年の「PRアワードグランプリ」では、当社がクライアントと手がけた「スマートフォンでの領収書電子化と原本の長期間保管義務撤廃を実現する規制緩和PRプログラム」が大賞となるグランプリをいただいたほか、国際PR協会(IPRA)による「Golden World Awards for Excellence」でも同プロジェクトが部門最優秀賞を受賞しました。 上記の仕事に代表されるように、メディアリレーションズのみに留まらず、幅広いPRコンサルティングサービスを提供しています。 私は新卒で電機メーカーに入社。その後現在の会社に転職し、間もなく8年が経とうとしています。 私がPRの仕事をするようになるきっかけは、大学時代に遡ります。 広告の勉強や活動を行っていた自身のPRへの意識を大きく変えるきっかけになったのが、大学で当社会長(当時社長)の井之上が教鞭を執っていたパブリックリレーションズの講義です。 「日本があらゆる分野でグローバルに諸外国と連携、競争していく社会において、PRが果たす役割はますます大きくなる」「日本はまだまだPRを理解している人材が足りない」ということを、講義の中で繰り返し言っていたのが印象的でした。あれから10年近く経った現在、社内で未だに同じ言葉を聞き続ける生活を送っています。人生はどう転がるか分からないものだな、と常々感じております。 現在私は、PRプランナー資格を持つ有志で構成された「PRプランナー部会」の幹事としても活動しています(幹事としての活動にご興味ある方は、いつでも幹事や事務局にお声がけください!)。部会では、PRプランナー資格の価値向上を目指し、PRプランナー向けの交流会や勉強会などの企画を進めています。その中で、2016年12月にワールドカフェ形式でのワークショップを開催したのですが、その時のことをご紹介させてください。 ワールドカフェでは「PR・広報を実務で行うにあたり、あらゆる障害がなかったとしたら、本来どのようなことがやりたいか?」というテーマで話し合いました。 金融・保険系業界のケースで話していたテーブルでは、はじめは「記者向けのレクチャーをしたらいいのでは」、「社内での説明会を実施したらいいのでは」という比較的普段の業務に近い話が出ていました。しかし、時間が経つにつれて、「こんなストーリーの商品を開発できないか」「政府や団体にアプローチして義務教育で金融を扱えないか」「競合と連携できないか」などの案が次々と出てきていました。 上記のような商品開発や仕組みづくりは、現在一般的にイメージされがちなPRの仕事とは異なるかもしれませんが、これこそPRのプロフェッショナルであるPRプランナーのスキルを活かすことで実現できる領域ではないでしょうか。 PRプランナー資格を通じて高いPR能力を身につけた人材がさらに世の中に広がり、広報部門だけでなくあらゆる職種においてご活躍されることで、ますますPRという手法の持つ重要性や有効性が際立ってくるのではと思います。 2017年度、PRプランナー資格認定制度は10周年の節目を迎えます。 2,000名を超えるPRプランナーが持つ知見や体験、想いを共有し、次の10年、20年に向けてPRがこれからの時代の必須スキルとしてさらに社会に広がっていくきっかけとなることを願っております。