VOICE of PR Planner (2018年4月)

広報は泥臭くて、時には孤独な仕事。
だからこそ、悩みや喜びを分かち合える仲間と出会いたい。

株式会社 J-オイルミルズ
三上 さつき

PRSJ 認定PRプランナーの三上と申します。資格を取得して日が浅い身ですが、このような執筆の機会をいただきましたことに、心より御礼申し上げます。

私の経歴について簡単にご紹介させていただきますと、事業会社で企業広報に携わり丸7 年になります。雑貨小売業、服飾製造小売業、そして現在所属する食品製造業の計3 社で、業界も規模も社風も異なる環境で働いてきました。このような経歴からこそ感じるのは、一言で広報の仕事といっても、業務範囲も重視する価値観も、企業によって全く異なるものだということです。また、守りの広報や社内広報については数値化が難しい上に社外秘の部分が多く、客観的に実績を説明することは容易ではありません。しかし、PRプランナーの資格を取得することにより身に付けた「日常的な広報・PR実務を幅広くこなし、かつ広報・PR責任者をサポートする知識・提案能力」と自身の経験を活かし、前述の難題に取組んでいます。

私がPRプランナー試験受験を決意したのは2016 年の春でした。
受験の目的は2 つ。1 つめは、当時在籍していた企業がIPO(※未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場すること)を実施したため、直後に会社の注目度が上がり、露出範囲が専門紙中心から一般紙まで広がることが予想されました。その際どんなメディアにも上場企業として恥ずかしくない広報対応ができるよう知識を体系的に整理しておきたかったことが挙げられます。2 つめは、広報という仕事への社内理解がまだ十分とはいえない中、PRの専門家として国内唯一の資格を取得することで少しでも自身の言葉に説得力を持たせることでした。結果、上場前後の大きく会社が変わるタイミングにおける広報活動に貢献できたのではないかと思います。

受験時の思い出はいくつもあります。
当時在籍していた企業の広報担当は役員秘書と兼務しながら私一人であったため、多忙を極めた実務の中での勉強でした。目まぐるしく過ぎる日々の中、勉強時間の確保は逆境に感じましたが、多忙であるからこそ時間を効率的に使う、無駄にしたくない!という意気込みにつながり、無事に3 次試験までストレートで合格することができました。
また1次試験の広報・PR 概論対策について、一般教養に近い内容を勉強して本当に意味があるのだろうかと感じてしまったことがありました。実務に忙殺される中、「教養を学ぶことが実務に何の助けになるのだろう」。情けない話にはなりますが、こんな意識を持ってしまいました。しかし、今は「PRの定義、広報の歴史、広報担当者の役割の原則」等といった概論が一次試験で出題されることにはきちんと意味があることだと理解しています。定義、歴史、原則といったベースとなる知識は悩んだ時に必ず立ち返る指針として、試験対応テキストと参考図書は全て保存しており、今も時折読み返しています。

現在広報グループの一員として所属する株式会社 J-オイルミルズ(東一2613)は、食用油の国内トップメーカーです。中途入社の私にとって食品業界は全くの未知の分野であるため、上長・先輩方に業界情報や自社業務について日々ご教示いただきながら、PR プランナーの資格取得過程で身につけた視点を活かし、弊社の広報活動に貢献できるよう努めています。

PR プランナーになって何より良かったことは、資格保有者が交流できるイベントが数多く開催されており、悩みや喜びを相談し分かち合える仲間と出会えたことです。広報は一見華やかに見られがちですが、本当は日々の泥臭い努力が必要で、時には孤独も感じる仕事です。しかし、業界や所属会社の垣根を越えて切磋琢磨し、勇気を与え合える仲間がいるのはなんと頼もしく素敵なことでしょうか。これからも、多くのPRプランナーの皆様とお会い出来ることを心待ちにしております。