VOICE of PR Planner (2013年11月)
ザ・広報/アラフォー女の孤独な挑戦 ~制作会見までの道のり~
日本映画衛星放送(株)
営業局 広報宣伝部 兼 経営管理局 業務推進部
大谷 桃子
「里見浩太朗さんの特集やるんで、取材どうですか?」 私はテレビガイドの編集部にそう連絡していた。当時、ウチの会社で“広報”といえばガイド誌に放送番組を取り上げてもらうべく、編集部に取材のお願いをするのがメイン業務でした。 時代劇だけを朝から晩まで365日放送している「時代劇専門チャンネル」というCS放送局の担当。俳優の特集が毎月あるわけでなく、取材のお願いも行ったり行かなかったり…。会社での存在感もなくなり、仕事のやりがいも手応えも感じず、ただなんとなく毎日が過ぎていったものです。 そんなある日、思いもよらない発表が。「自分たちで新しい時代劇をつくる――――」 ものごとが大きく動き出すきっかけでありました。 最盛期には各TV局のゴールデンタイムで時代劇が放送されてましたが、視聴率の低迷やスポンサーの撤退などを理由に90年代くらいから徐々に無くなり、新しい時代劇がつくられていない状況でした。(NHK大河など一部除く) 「日本人の心のふるさとである時代劇がなくなってしまう」 それは作品そのものだけでなく、時代劇をつくるスタッフの仕事がなくなり、技術が継承されないという制作側の危機でもありました。殺陣師をはじめ、衣装や美術など“時代を再現する”職人の技が失われてしまうのです。 そこで、時代劇を専門で放送する唯一のチャンネルである我々が、「時代劇の灯を消してはならぬ」とばかりに立ち上がったのです。そう、昔の時代劇をただ流すだけの“再放送チャンネル”ではなく、時代劇文化を再生し、次世代に継承する役割を担う“文化発信チャンネル”へ。その思いを、活動を、どのように知ってもらうのか。さあ、“広報”の出番です。 「地上波でもなければBSでもない。たかがCSチャンネルが注目される訳がない」 「旬のタレントをブッキングしてないんだから、マスコミも来ないだろ」 一流ホテルの宴会場で大々的に「制作発表記者会見」を行いたいと伝えたところ、社長以下役員は口々にこう言いましたが、制作費を出資してくれたパートナー企業が会見を希望していたので、社内的には厳しいなか実施することになりました。- 「時代劇専門チャンネル」の加入世帯数グラフ
- M3・F3層(男女50歳以上)のCSチャンネル平均接触率ランキング
- 視聴者へのアンケート結果
- ・時代劇制作の激減で解散してしまった歴史的映像集団「映像京都」の説明資料