第4回PRプランナー Meet up1811開催レポート

やるか、逃げるか、最後に決めているのは自分!

PRプランナー部会

PRプランナー資格保有者向けのイベント「PRプランナー Meet up 1811」が、2018年11月19日(月)に「JFAハウス」(東京都文京区)にて開催され、大人向け体験型「夢の教室」の講師として元ハンドボール日本代表・東俊介(あずましゅんすけ)氏に登壇いただきました。
東氏は公益財団法人日本サッカー協会(以下JFA)が推進している社会貢献活動「JFAこころのプロジェクト※1」の一環として全国の小学校・中学校などをまわり、「夢の教室」という授業の中で自らの経験をもとに夢や目標を持つことの大切さを伝える「夢先生」を務めています。
広報の知識豊富なメンバー約30名が集まった本イベントでは、まず簡単に体を動かす「ゲームの時間」からスタートし、参加者はアシスタントが決めたルールの中で、いかにうまくゲームをクリアできるかを考えながら実践するという取り組みを行いました。「どうやったら成功できるのかを考える」、「絶対成功すると自分で考えたことをやってみる」といったゲームをする中で、成功すると信じてやったのに失敗した、という体験が重要で、失敗したときに人は悔しくなる、その思いが次の成長への原動力になることを知ってほしいといった話がありました。まとめでは「人生はできる、できないではなく、自分がやるか、逃げてしまうかのどちらかだと思う。成功するまで努力するのか、しないのかを決めているのは結局全て自分」ということが東氏の熱い経験談とともに伝えられました。さらに「トークの時間」では、「努力することを習慣にする」、「自分は頑張れると信じる」、「目標は周囲に言う」といった自分自身のコントロールが重要という話もありました。
参加者は東氏の話に聞き入りながら、チームリーダーとしての指導力アップにつながる貴重な機会として捉え、最後に配布された「夢シート」に積極的に自分の夢を書いていました。このシートは通常子どもたち向けに学校で行う際、東氏から一人ひとりにコメント入りで返却されるというユニークな仕組みで、手書きのメッセージコメントから夢先生の気持ちがしっかり感じられ、小学校・中学校でも大好評となっているとのことでした。

 

◆夢先生はリアルフットボール!

東氏の講演に続いて、JFAの参与で「JFA こころのプロジェクト」の顧問を務めている手嶋秀人氏に登壇いただき、同協会が取り組んできた社会貢献活動や、自身の広報業務との向き合いについて語っていただきました。
はじめにこれまで手嶋氏がJFAの広報部長時代に行ってきた、様々な広報活動についてご説明をいただきました。いまでこそ当たり前になっている選手の記者会見時に使われるバックボードは、Jリーグ開幕時にせっかくの露出機会にスポンサーを表示させるために取り入れたことや、試合後の選手にメディアが効率よく取材できるように「ミックスゾーン」という画期的な手法を編み出したことなどが紹介されました。
また、なかなか聞くことができないサッカー協会の裏話についても触れていただき、「なでしこジャパン」のように、マイナー競技には愛称をつけておくと、大会で優勝するなどの結果を出したときに、起爆剤となりうるといった話がありました。

手嶋氏がスタートさせた「JFA こころのプロジェクト」は、世界で初めて一つの競技として、競技に関わらない社会貢献活動を行っているプロジェクトです。「①サッカーの普及が目的ではない」、「②先生はサッカー選手だけではない」、「③小中学校の授業時間内にクラス単位で実施」という3つのキーポイントを守りながら、現在は年間2000回も開催しているとのことです。
2017年までの11年間で、開催数は累計12,207回、参加者368,678人、講師は1,000人以上にのぼるとのことです。講師となる夢先生は、基本的に口コミで集まっており、説明会を行うと多くのアスリートが集まってくれているという話もありました。
同プロジェクトについては、ボールがなくても思いが伝わるということで、「リアルフットボール」としてFIFA関係者からも絶賛されたとのことです。
手嶋氏が夢先生に強く伝えているのは、「自分が成功しているときよりも、自分が失敗したとき、挫折したときにどう乗り越えてきたのかを伝えてほしい」とのことでした。活躍した選手としての自慢話ではなく、リアルな経験を話してもらうために、夢先生への研修も欠かさないとのことです。

最後にあくまで私見とした上で、手嶋氏から参加者へのメッセージとして、「6:4(ロクヨン)のスタンスを持ってほしい」という話がありました。これは会社に所属する組織人としてだけではなく、メディア側にも6:4の割合で立っているという気持ちを心の中に持っておき、何か会社に問題が起きたら、覚悟を持って臨んでほしい、社長や役員にも立ち向かうことも考えてほしい、ということでした。手嶋氏から参加者にそんな熱いも伝えられました。

定期的に開催している「PRプランナー Meet up」は、資格保有者のスキルアップにつながるセミナーや、有用な人脈形成につながる懇親会など、資格保有者が自分の業務に活かしやすい内容をイベントに盛り込むことを目指しています。ぜひ学べる、つながる、役に立つPRプランナー資格の取得について検討してもらえればと思います。

 

 

 

<「PRプランナー Meet up 1811」実施概要>

<第一部>社会貢献活動「夢の教室」体験
①サッカーミュージアム見学 ~日本サッカーの歴史について学ぶ~
②ゲームの時間 ~軽く体を動かすコミュニケーション~
③アスリート 東 俊介氏(元ハンドボール日本代表)によるトークの時間
<第二部>「JFAこころのプロジェクト」顧問・手嶋秀人氏による講演
<第三部>「懇親会」

※1 JFAこころのプロジェクトとは
子どもの心身の健全な成長に寄与することを目的に取り組んでいる活動で、Jリーガーやなでしこジャパン、日本代表として活躍している新旧選手が「夢先生」として小学校や中学校の教壇に立ち、「夢を持つことの素晴らしさ」、「それに向かって努力することの大切さ」、「失敗や挫折に負けない心の強さ」を子どもたちに伝えています。

・東俊介氏プロフィール

元ハンドボール日本代表主将。大崎電気にて日本一を9度獲得、日本代表としてアテネ五輪アジア予選、世界選手権アジア予選など数々の国際試合に出場し、2009年に現役引退。
引退後は早稲田大学大学院にて元巨人軍の桑田真澄氏らとともにスポーツマネジメントを学び、修士論文は優秀論文賞を受賞。ハンドボールをビジネスとすべく、日本リーグ機構の運営に関わり、現在は独立。運動音痴の少年がハンドボールに出会い、努力する習慣と思いやりを身につけ、数々の挫折を乗り越えて日本代表主将になるまで成長する物語はJFAこころのプロジェクト「夢の教室」でもトップクラスの人気を誇る。

・手嶋秀人氏プロフィール

公益財団法人日本サッカー協会 参与
「JFA こころのプロジェクト」顧問
「スポーツこころのプロジェクト」運営本部長


文責・府内成憲
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