「第6回 PRプランナーフォーラム in 関西」開催レポート

「第6回 PRプランナーフォーラム in 関西」を開催 
 
関西地区広報担当者向け「読売新聞大阪本社」の視察と講演会を実施

公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)のPRプランナー部会では、PRプランナー向けに最新かつ高度なスキル取得を促進し、社会的責務に応えるプロフェッショナルの育成を目指した専門セミナーを定期的に開催しています。今回、関西地区において第6回目となる「PRプランナーフォーラムin関西」を3月13日、大阪市内にある読売新聞大阪本社を会場として、3部構成で開催しました。
第1部は読売新聞大阪本社の視察、第2部の講演では「マスコミからみた広報担当者への期待」をテーマに、読売新聞大阪本社で広報宣伝部長を務めている戸田 博子氏をお迎えしました。戸田氏は、長年、ご自身が記者として経済部・経済部デスクや社会部、論説・調査研究室などを歴任されていたことから、記者と広報、双方の視点から広報担当者やPR業界関係者に向けて望む姿勢について、お話くださいました。第3部は、会場を変更し、講師および参加者同士の交流を促す懇親会形式を取り、総勢26名のPRプランナーや広報担当者らが集まりました。
 第2部の講演に先立ち、第1部では読売新聞大阪本社に隣接する新聞工場と紙面づくりを行う編集フロアなどを見学しました。見学に際し、ガイドの方から新聞の印刷工程や歴史、仕組みについてご説明をいただきました。その後、地下4階~地下2階までつながる大型の印刷用輪転機5台が立ち並ぶ中、夕刊を印刷する様子を見学。印刷開始から発送用トラックの荷台に積載されるまで約2分半程度で作業が完了するというハイスピードな工程に、一同、感心しました。その後、記者の方が紙面づくりを行う編集フロアを見学。事務所中央には1日に数回、編集会議を行う大きなデスクがあり、テレビ会議を通じて、東京・大阪・西部・他2ヶ所、計5ヶ所を中継し、編集方針を話し合うといった、編集工程を教わりました。
その後、セミナールームに戻り、新聞社の紹介映像を視聴。視察ツアー後に、記念写真を印刷した特別な新聞が参加者へと配布されました。

第2部は、戸田 博子氏にご講演をいただきました。戸田氏の記者時代の経歴に始まり、広報宣伝部長としての現在の役割や業務内容、記者が望む企業広報への期待、新聞メディアの特性や記者との向き合い方について、幅広くお話を伺いました。
戸田氏は入社以来、地方支局に始まり、経済部での大阪機械記者クラブ担当など、約25年余り、経済記者として活躍され、2017年6月より現職の広報宣伝部長に就任されました。現在は、13名の部員を束ね、危機管理広報やマスコミ対応、リリース作成などの広報業務に加え、SNS運営や読者センターから寄せられる文書の確認、新聞社主催の企画展示の宣伝業務まで、幅広くご担当されています。

記者と広報、双方の立場を経験される中で、戸田氏はそれぞれに求められる能力は共通していると感じているそうです。記者においては、経営者の話に含まれるニュースとなるような情報のヒントを捉えるために、物事を深堀して考える力が求められます。他方、広報も企業の中枢にいて内部情報を把握し、物事を見極める力が求められる点が類似していると解説。広報はこうした能力を磨き、相対する記者が間違った理解をしないよう、誘導していくことが望ましいと述べました。戸田氏曰く、有能な記者であっても、時に思い込みをしている時があり、そうした場合に広報担当者が情報理解を間違わないように導いてもらえると、記者は恩義を感じ、相互の信頼関係にもつながっていくものだそうです。

また、記者の立場から企業広報への期待として、情報の結節点として、企業の経営戦略の未来を語っていただきたい、それには情報開示のタイミングを逃さないことが重要と述べました。加えて、メディアは情報として現在の動きに加え、業界における位置づけや、社会性・公的な意味などを知りたがり、そうした点を踏まえたリリースが記者から見た上手なリリースである、と続けました。そうしたリリースを書くためには、広報担当者として世の中の流れを踏まえ、先頭を行く動きを知ることが大切であると説きました。人材育成の観点から、若い広報担当者には、新聞を1紙でよいので、端から端まで一覧することを推奨いただきました。近年は新聞のスクラップサービスに頼る企業も多く、広報担当者自身が世の中の流れを掴めていないことや、売り込むべき新聞のコーナーを知らない点を補うことにもなると教えていただきました。戸田氏は、新聞はレガシーメディアと言われているが、新たなメディアと比べて、高い倫理観と取材力を持っていることを広報担当となって改めて感じている、と率直なご感想もいただきました。翻って広報担当者として、倫理観やコミュニケーション力を求められていることを気づかされる深いご講演内容でした。
参加者からは「メディアと企業広報、両方の視点から話が聞けた」、「記者への理解が深まり、今後の付き合い方に役立てたい」、「企業に対する物の見方、企業広報のあるべき姿など本音が伺えた」といった感想が聞かれました。第3部の懇親会でも参加者同士で交流を深めていただけたようです。
今後のPRプランナーフォーラムin関西についても、関西のPRプランナーや広報関係者を巻き込みながら、広報担当者同士の交流を促すことと、「また参加してみよう!」と感じていただけるようなセミナーを企画していきたいと思います。

「第6回 PRプランナーフォーラム in 関西」 当日のプログラム

会場:読売新聞大阪本社(大阪市北区野崎町5-9)

第1部 14:00~15:30  読売新聞大阪本社見学

第2部 16:00~17:45  講演「マスコミからみた企業広報への期待」(読売新聞大阪本社 戸田部長)

第3部 18:15〜 名刺交換タイム、講師を含めた懇親会

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PRプランナー部会 幹事 古矢 直美(パナソニック ホームズ株式会社)