VOICE of PR Planner(2019年4月)

媒体社だからこそ活かすPRプランナー資格

株式会社テレビ埼玉
営業局営業部 諸星和義

「あなたにカンケイあるテレビ テレ玉」と聞いてピンときた方。さては埼玉県民ですね。ご視聴いただき、ありがとうございます。お礼に十万石まんじゅうを差し上げたいです。私はテレビ埼玉(愛称:テレ玉)の諸星和義と申します。テレ玉は埼玉県を中心に約871万世帯で視聴可能な独立放送局です。チャンネルは「3」で、最近ではプロスポーツ中継や、バラエティ番組「いろはに千鳥」などのコンテンツがご好評をいただいております。この場をお借りしまして、私がPRプランナー資格に挑戦した背景を紹介させていただきます。

私は2006年にテレ玉に入社し、東日本大震災が起きた年の秋までを報道制作局報道部の記者として過ごしました。その後は、東京支社営業部を経て本社営業部に所属し、地元企業や自治体向けにCMやプロモーション施策を提案する営業をしています。取材をするメディア側であり、「PR」とは違う「宣伝」を売る部署、テレ玉のPR担当をしているわけでもありません。資格を取得されている方の多くはPR会社や企業の方々だと思いますので、「なぜ媒体社なのにこの資格をとったの?」という疑問にお答えしたいと思います。その理由はズバリ、「発信においてはPRのリテラシーが必要である」と考えたからです。

記者時代、発表資料をもとに取材したり、会見に出席して原稿を書くのが日常でした。その時に感じていたのは、企業(自治体)によって、情報発信の迅速さや正確さ、伝え方の善し悪しが全然違うということです。記事に必要な情報を適時ご提供くださる広報担当者の方はもいれば、報道価値は度外視で「ニュースで紹介して」と要望してくる広報担当者の方もいらっしゃいました。不祥事で大きく信頼を失った企業が、正しい広報対応と情報開示で信頼を少しずつ回復する様子を近くで見ていると、広報の力の大きさを認識せずにはいられませんでした。「企業の伝えたいことと社会が求めていることを見極めて、正しい発信をするためには、PRの勉強が必要なのでは」と思ったのはこの頃です。

実際に資格取得のために勉強を始めたのは東京支社営業部になってからで、通勤時にはいつも公式テキストを読んでいました(分厚いので鞄はいつもパンパンです・・・)。営業の立場になると、クライアント企業の広報・宣伝担当の目線で提案内容を考えることが多くなりました。特に、中小企業は広報も宣伝も担当者がおらず、社長が広報窓口になっているケースも少なくありません。PRが足りずに、その価値がうまく知れ渡っていない企業が山ほどあります。私の仕事は地元企業の広報・宣伝活動についてフォローし、発展に結びつけるコンシェルジュのような存在でありたい、というのが持論です。宣伝の提案とあわせて、広報面のアドバイスをするスキルを身につけることができれば、多少なりともクライアントの力になれるのではという想いが強くなりました。
記者時代に各社のプレスリリースに触れていたこともあって、3次試験も無事にパスできました。名刺に「PRプランナー」を刻んだうえで、クライアントと会ってみると、これまでよりも企業の側に立って考え、自信をもってコミュニケーションができるようになった気がします。
 
部署や職務が何であっても、メディアに携わっている以上、PRへの理解は必要であると考えています。情報提供者の真意を読み取って発信する力、広報で企業を後押しする力、それぞれ方向は違いますがPRプランナーの知識はその両方の土台となります。これからは、自分自身の経験値を積み上げる事でその土台をより強固なものにできればと考えています。会社のキャッチフレーズ「あなたにカンケイあるテレビ」の通り、私にカンケイした企業・自治体が笑顔になるような仕事ができればPRプランナー冥利に尽きます。