VOICE of PR Planner (2015年12月)

メーカー“非”広報職社員が、PRプランナーになる意義  

東芝メディカルシステムズ(株)

石田 隆雄

  ミネベア株式会社広報室の柴田亜里沙さんからご紹介いただきました、東芝メディカルシステムズ株式会社の石田と申します。柴田さんは、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院の後輩で、同窓会で会った際にPR プランナーの事を教えてくれ、その時初めて資格の存在を知ったのが始まりでした。いわば私をこの道に引き入れてくれた(引き戻してくれた?)PRプランナーの先輩で、他にもゼミでお世話になった先生も受験を応援してくださったりと、資格取得を後押ししてくれた皆さんに本当に感謝しています。 私の経歴は他の方と少し異なっているかもしれませんが、まず入社時より企画部に配属されそこで広報業務に携わりましたが、その後、海外営業統括部、業務部を経て、1年ほど前より、カテーテル治療の際に利用される ”アンギオ” と呼ばれるX線循環器診断システムを専門に取り扱う事業部に移り、現在は同部門で業務系全般の仕事に携わっています。 では、そうした職種にあっては広報・PRの事を考える必要は全くないか? というと、決してそんなことはなく、現在の業務に移ってからはむしろ、その重要性、広報・PRマインドの深化の必要性をさらに強く実感していました。加えて、自身が今まで興味・関心を持っていた分野から離れてしまうのではなく、引き続き関わりを持ち続けたい、理解を深めて行きたいという思いもありましたので、一念発起をしてPRプランナー資格の受験を決め勉強を始めた経緯があります。 弊社のように、コンシューマ向けではなく、B to D(=Doctor)向けの製品・設備を扱う医療機器メーカーでは、医師の専門的知見からの要望が強く、そのため製品開発もいわゆる “技術オリエンテッド(志向)” に陥ってしまう問題を常に抱えています。日々の膨大な開発業務に追われるエンジニアは、細かい仕様や技術的な観点に視線が集中してしまいがちですので、気づけば顧客・実社会の想いとの間に距離感ができてしまうことも少なくありません。 とある商品企画に携わっていた際、会議において営業関係者から「製品が世に出る際に、どんなカタログを用意するか、どんなニュースリリースを書くか、イメージしながら開発を進めて欲しい」という要望が出たのは、まさにそのような傾向を懸念してのことだったのだと思います。場合によっては数年先に世に出る製品のニュースリリースのことまで考えるのは容易ではありませんが、今一度ふっと視線を引いてみて、顧客や社会と「会話する」ことに立ち返ってもらうという意味で、広報・PRの視点を各人に持ってもらうよう働きかけることは、とても大切なことと思っています。 実業務レベルでも、たとえ開発が完了したとしても、臨床試験で得られたデータによって裏付けられたエビデンスがなければ、社会に向けてコミュニケーションが始められないのも業界の特殊性で、広報メンバーの業務を正しく理解し、早い段階で密に連携することも求められています。自身としてもPRプランナーとして研鑽を積み、その橋渡し役を果たせればと思っています。 また個人的な事情ですが、都心部からやや離れたメーカー本社、開発・製造拠点での勤務とあり、どうしても社内だけで業務をしがちになってしまいますので、他業種にわたる方々と交流が出来る場が定期的にあることを、何より有り難く思っています。協会主催の講演会や勉強会のお誘いのメールはいつも心待ちにしていて、時間が許す限り参加をして、様々な方と交流を深めたいと思っていますので、皆さんと会場でお会いできることを楽しみにしています。 次は、同じく北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院の後輩で、同じくPRプランナーの先輩、徳田裕子さんにバトンタッチします!