参考問題(1次試験)

第1章 広報・PRの基本

問1 アメリカにおけるパブリックリレーションズの発展に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。

  1. アイビー・リーは、「事実の公表こそが社会的不安を払拭する」という原則宣言を新聞社に送った。
  2. ラジオを通して国民に語りかけ、ファイアーサイド・チャット(炉辺談話)を行った大統領は、トーマス・ジェファーソンである。
  3. 18世紀後半に起きたアメリカ独立戦争では、スローガンの設定やイベントの実施といったさまざまなコミュニケーション活動が行われた。
  4. アメリカで企業の社会的責任が論じられるようになったのは、自動車の安全性に対する社会的告発など、消費者運動が激しくなった1960年代からである。

第2章 企業経営と広報・PR

問2 企業や組織の広報・PR部門は、本社(本部)の「コーポレート・スタッフ」に位置づけられることが多い。コーポレート・スタッフが担っている役割として、次のうち最も適切なものを選びなさい。

  1. 販売戦略の立案
  2. 代理店の販売サポート
  3. 研究開発
  4. 事業支援

第3章 広報・PR活動のマネジメント

問3 カトリップの「PRマネジメントプロセス」に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。

  1. 第1ステップは、コミュニケーション上のギャップを調査・分析し、「問題点を明らかにする」段階である。
  2. 第2ステップは、コミュニケーションの対象を絞り込み、目標を明確化して手法を選択する、「計画を決定し、その具体化を図る」段階である。
  3. 第3ステップは、ステークホルダーに対し、機会やメディアを活用してメッセージを届ける、「コミュニケーション活動を実践する」段階である。
  4. 第4ステップは、具体的な行動や日程・人員・予算などを決定するために、「成果を測定し評価する」段階である。

第4章 コミュニケーションの基礎理論

問4 マス・コミュニケーションの効果に関する次の4つの仮説を、それぞれ現代の事象に当てはめた場合、最も不適切なものを選びなさい。

  1. 選択的接触:支持している政治家のブログを好んで読む。
  2. 認知的不協和:自分が行けなかった観光地のInstagramは無意識に見ないようにする。
  3. 議題設定機能:ニュースやワイドショーで取り上げられた情報は重要だと感じる。
  4. 沈黙の螺旋:マイノリティの意見がTwitterに書き込まれることで、社会問題に発展する。

第5章 メディアリレーションズ

問5 メディアリレーションズに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。

  1. パブリシティはメディアという第三者の評価を得ているため、広告より強い影響力を持ち、情報の信頼性と権威性が特色といえる。
  2. パブリシティには、企業や団体から積極的に情報をメディアに発表する能動的なものと、メディア側からの取材申し込みの受動的なものの2つがある。
  3. パブリシティは各種のメディアに対して情報を提供する活動である。その情報には、社会性、公共性と共にニュース性が必要である。
  4. 純粋に編集・報道部門への情報提供のみでメディアでの露出を目指すパブリシティとは別に、広告料金の支払いを前提とするペイドパブリシティという手法がある。
  5. パブリシティでは、記事や番組の編集権はメディア側にあり、意図せざる形での報道のリスクがあるが、企業からの主観的な訴求が可能で効果は大きい。

第6章 マーケティングの基礎理論

問6 マーケティングの基礎理論に関する、次の記述の空欄(1~2)に最も当てはまる適切な言葉を下の語群(①~④)から選択し、その正しい組み合わせを選びなさい。

経営学者のドラッカーは、企業の目的は「顧客の( 1 )」であり、基本的な方法はマーケティングと( 2 )で、この2つだけが成果を生むものであり、その他の方法は費用(コスト)だけしか生まない、としている。

【語群】
①獲得 ②創造 ③イノベーション ④パブリシティ

  1. 1-① 2-③
  2. 1-① 2-④
  3. 1-② 2-③
  4. 1-② 2-④

第7章 マーケティングと広報・PR

問7 近年の情報接点の多様化に伴うマーケティング手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。

  1. 有益で説得力のあるコンテンツを制作・配信することによって、ターゲットを引き寄せ、獲得し、エンゲージメントをつくり出すためのマーケティングを「コンテンツ・マーケティング」という。
  2. ある情報の裏側にあるさまざまなファクトを組み合わせ、ターゲットの対象者たちが納得し、理解を深めてくれるような説明を組み立てることを「ストーリーテリング」という。
  3. オピニオンリーダーに影響を及ぼす活動を、SNSなどのメディアを通して行うことを「ナラティブ・アプローチ」という。
  4. 従来のマスメディアに加え、広告、自社サイトやSNSを含めた全4メディアは、PRの新しい領域とされ、その頭文字をとって、「PESO(ペソ)モデル」という。

第8章 ブランドの基礎理論

問8 米国マーケティング協会(AMA)が定義した「ブランド」に関する次の記述の空欄に、最も当てはまる適切な言葉を選びなさい。

ブランドとは、個別の売り手もしくは売り手集団の製品やサービスを識別させ、競合他社の製品やサービスから差別化するための、名称、言葉、(  )、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたものである。

  1. 記号
  2. ピクトグラム
  3. 情報
  4. アイコン

第9章 CSR(企業の社会的責任)

問9 CSR関連のガイドラインや考え方の歴史に関する次の記述のうち、最も適切なものを選びなさい。

  1. 日本経済団体連合会が1990年に設立した「1%(ワンパーセント)クラブ」は、企業のみを対象としていて、経常利益の1%相当額を目標に、寄付を通して社会貢献活動を行う形式の1つである。
  2. SRI(社会的責任投資)は、環境問題に特化したエコファンドに対し、従業員の労働問題や差別・人権問題など社会的課題に取り組む企業への投資を重視する考え方として誕生した。
  3. 国際規格ISO26000は、社会的責任の考え方の広まりや関係するステークホルダーの広まりを背景に、さまざまな関連概念を体系化し、企業以外の主体も参照できるガイドラインとして誕生した。
  4. CSRの新たな考え方やガイドラインの導入は、環境問題の深刻化や企業不祥事の頻発など、企業批判の高まりのみを背景としている。

第10章 インターナル・コミュニケーション

問10 社内報に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。

  1. 日本のインターナル・コミュニケーションは、100年以上前に紡績企業など一部の大企業が従業員や家族に無料配布する社内報から始まった。
  2. 第二次大戦後、労働運動が拡大する中で労働組合が機関紙を発行し、従業員に大きな影響力を持ったが、そのノウハウが現在の社内報に引き継がれている。
  3. 1948年に設立された日本経営者団体連盟(日経連)は、アメリカからヒューマンリレーションズの手法を学び、そのツールとして社内報の普及に取り組んだことから、1950年代には多数の企業が社内報を発行し始めた。
  4. 近年は、イントラネットの普及でWeb社内報が増加しているが、その一方、紙媒体の社内報もインターナル・コミュニケーションにおいて、主要なメディアとして認識されている。

第11章 IR(インベスターリレーションズ)

問11 証券取引所が定めた適時開示ルールに基づいて、速やかに発表することが求められている事項がある。以下の記述のうち、発表しなくてもよい事項を選びなさい。

  1. M&Aなどの大規模なアライアンス(提携)が決定された。
  2. 公表している業績予想に対して、売上高が30%上回ることが判明した。
  3. 公表している業績予想に対して、利益が5%下回ることが判明した。
  4. 第1四半期の売上高や利益など、決算数字が確定した。

第12章 グローバル広報

問12 国際広報の実務に関する次の記述のうち、最も適切なものを選びなさい。

  1. 日本の国際広報の歴史は、貿易摩擦等を改善することから始まったものであり、常に日本をとりまく状況を良くしようという視点で、企業や組織の説明責任を果たすことが最も重要である。
  2. 国際広報で最も重要なことは、倫理性と透明性であり、国内メディアに対する以上に情報開示をすることを忘れてはならない。
  3. 国際広報においては、対象国の文化や商習慣を十分に理解することよりも、メディアリレーションズに注力するべきである。
  4. 国内のみで事業を展開する企業であっても、自社が発信する情報が瞬時に英訳されSNS等で海外にも伝わることを念頭に置き、グローバル社会を意識した広報戦略を展開すべきである。

第13章 危機管理広報

問13 クライシス・コミュニケーションにおける記者会見に関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。

  1. 記者会見までの準備フローとして、状況を客観的にとらえて、メディアにとってのニュース価値を判断し、直面する問題の明確化と解決策、および達成すべき目標を設定する。
  2. 多数の死傷者を伴う重大事故の発生が起こった場合、危機対応マニュアルに則りスポークスパーソンを決定し、速やかに会見を行う。
  3. 重大な法令違反が発覚した場合は、不祥事についての報道件数を最小にするため、記者の目にとどまらないよう、短めのニュースリリースを配信する。
  4. 報道のトーンは、企業の初期のメディア対応で方向づけられるため、一般的な謝罪会見では適切かつ誠実な対応として、何も隠さず情報開示する姿勢を示す。

第14章 行政・団体等の広報・PR

問14 近年、自治体によるシティプロモーションに注目が集まっているが、シティプロモーションに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい。

  1. シティプロモーションは、その土地の特産物の売り込みをすることが中心となっている。
  2. シティプロモーションで最も重要な資源は、地域内外の人々による地域への参画意欲である。
  3. シティプロモーションは、自治体だけでなく、地元企業やNPOなど地域の関係団体との協力に基づき進められている。
  4. シティプロモーションにより、地域住民自ら関与・参画することで地域の魅力が増大し、地域に対して生まれる誇りを「シビックプライド」という。

解答

問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問9 問10 問11 問12 問13 問14
b d d d e c c a c b c d c a