VOICE of PR Planner (2017年8・9月)

PRをもっと身近な存在に

フリーランスライター
杉野 遥

「”PR”って何?プロモーションの略?」
お恥ずかしい話ですが、これはほんの6年前の私が言った言葉です。
PRを全く知らなかった私がなぜPRプランナーを志したのかというと…。

6年前の2011年4月。私は転職を機にPRの世界に足を踏み入れました。Webメディアの広告営業として、多くの企業の広報・PR担当者と商談を重ねる毎日。広告はペイドメディアですが、担当者にとって広告はPRと合わせて包括的に取り組むもの。真に効果を出す提案にはPRの知識が不可欠だと感じました。同時にベテランのPRプランナーの方にアドバイスをいただくチャンスにも恵まれた私は、少しずつPRを学んでいきました。

次第に「メディアが取り上げたくなるプレスリリースの書き方」や「Webサイトでの情報発信のコツ」など、広告の提案と合わせてPRの要素を絡めたノウハウをクライアントに提供することで、PRの世界に携わるようになりました。

その後、独立を機にPRプランナーとして仕事の幅を広げようと受験を決意。2017年1月に合格しました。分厚いテキストと格闘する約1年間の受験勉強。体系的な学びは自信につながりました。

現在はライター活動をメインとして、求人広告のコピーライティングやインタビュー記事、プレスリリースの作成などを行っています。また、企業のSNS活用支援を行うこともあります。直接PRに携わる割合は多くはないのですが、取材や打ち合わせでは必ずと言ってよいほどPRに関係する話題が上ります。

話題の例を挙げると…
「求人広告を掲載したいけど、自分の会社の強みが何なのかわからない」
「見込み顧客をナーチャリングするために、双方向の情報交換の仕組みを作りたい」
「社内間のコミュニケーションが取れず、仕事がうまく進まなくて困っている」など。

一見バラバラに見える話ですが、それぞれがPRの一つであるカスタマーリレーション、エンプロイーリレーションに関わる話題です。

組織を取り巻くステークホルダーと関係性を築くPR活動。そこには組織を活性化させるヒントが隠されていることを改めて感じます。

ところが残念なことに、お客さまから「PR」という言葉を聞くことはほとんどありません。特に中小規模の組織では6年前の私がPRそのものの意味さえ知らなかったようにPRの意義や役割はまだまだ浸透していないように感じます。もちろん広報やPRの専門家も存在しません。日本でPRというと、メディアリレーションの華やかな印象が先行しおり、自分たちとは関係ないと思っている方も多いように感じます。実は組織運営とは切っても切れない関係にあるのに…。

――PRがもっと身近な存在になったなら。あらゆる組織にPRの概念が浸透すれば、たくさんのモヤモヤが解消し、組織そのものが生まれ変わる。そんな大きな可能性があると私は信じています。

PRプランナーに合格したばかりで修行中の身ではありますが、PRの意義や必要性を多くの方に知っていただけるよう、力になれたら嬉しいです。