参考問題(3次試験)

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課題A : ニュースリリースの作成

大手航空会社のスカイウエイ株式会社(東証一部上場)では、英国のエアクルーズ社製の超大型航空機「C390」を国内航空会社として初めて就航させることになった。以下の、C390キャビン特長、C390機材特長、C390運航計画、導入背景、参考データなどを基に、一般紙経済部向けのニュースリリースを作成しなさい。

C390 キャビン特長
  • キャビンのコンセプトは、「エアラインから始まる感動の旅」。
  • すべての搭乗客に快適な空の旅を体感していただける座席スペースと高付加価値のサービスを提供。 ・従来のファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスのクラス設定ではなく、ラグジュアリースイートクラス、エグゼクティブクラス、スタンダードクラスに設定。
  • エアクルーズ社が定めたC390の標準座席数525席に対して、スカイウエイ社が運航するC390では、総座席数を400席に設定。ゆとりある座席配置によって、スタンダードクラスにおいても快適な空の旅が可能となった。
  • ラグジュアリースイートは空の旅の感動を味わってもらう特別な空間。それぞれが独立した個室になっており、ホテルの客室のようなくつろぎの空間を提供。25インチの大型モニターで、映画やさまざまなエンターテインメントプログラムを楽しんでもらえる。
  • アッパーデッキに配置したエグゼクティブクラスは、フルフラットベッドを装備し、長時間のフライトでもリラックスして過ごせる。また、ワーキングスペースとしても、十分な空間と機能を備えている。 ・スタンダードクラスにおいても、座席長が90㎝と、前席のシートとの間に十分なスペースを確保。全席にUSBポートとAC電源を装備し、ビジネスにも対応できる。
  • 旅客機では世界で初めて、地階にフィットネスジムを含むリラクゼーションスペースを設置。専門のインストラクターによる、ヨガプログラム、ウオーキングプログラムを用意。空の移動の時間を有効に活用して、心身のコンディショニング向上にも寄与するサービスを展開。 ・フィットネスジムは、50㎡のスタジオと20台のウオーキングマシンとシャワールーム10室を完備している。
  • 感動の旅にふさわしい独自の客室サービスも展開する。キャビンアテンダントは、旅のコンシェルジュとして、外国人旅行者向けには東京を中心とする最新の ショッピング、レストラン情報を提供。日本人旅行者には渡航先のパリやフランクフルトの観光、ファッション、食のトレンド情報を提供する。
C390 機材特長
  • エアクルーズ社によって開発された総2階建ての世界最大の旅客機。2層の客室に加え、地階にリラクゼーションスペースを確保。
  • 機体ボディーの外板と内壁の間に独自の吸音材を採用して、エンジン音などの防音機能が格段に向上した。同伴旅行者との会話や、キャビンアテンダントとのやりとりもスムーズに行える。
  • 機体重量の大幅な軽減を図り、20年後の環境基準に適応できる燃費効率を実現させた。C390は乗客一人を100km運ぶために必要なジェット燃料を3リットル以下に抑えている。これは現行機種で最高水準の燃費効率となっている。
C390 運航計画
  • エアクルーズ社より、C390 を合計10機購入。2008年に4機、2009年に6機購入予定。
  • 2008年12月より運航を開始。同機はスカイウエイ社所有の最大の旅客機であり、国際線事業におけるフラッグシップとして育成していく予定。
  • 当面は日本と欧州のハブ空港を結ぶ大型旅客機として運航。成田~パリ、成田~フランクフルト路線で毎日往復1便運航。
  • 運航開始日は成田~パリ路線が2008年12月24日。成田~フランクフルト路線は2009年2月1日。
  • C390の日本欧州便就航による2009年の営業収入は約940億円を見込む。
導入背景
  • エアライン業界では、近年、国際線ビジネスクラスのサービス競争が激化している。その大きなテーマがキャビン環境の改良。英国の航空会社が2000年に他社に先駆けてフルフラットベッドを採用。ビジネスエグゼクティブの支持を得た。
  • エアクルーズ社のC390は、欧州、アジアの主力航空会社10社以上が導入を表明。日本のエアラインの動向に関心が集まっていた。
  • C390をいち早く運航したのが、英国のロイヤル航空。2007年11月15日からC390の第1号機を、ロンドン~シドニー路線で定期就航開始。
  • 2008年6月1日から、同航空の成田~ロンドン路線でもC390の運航がスタートした。
キャビンスペック
設備 ラグジュアリースイートクラス エグゼクティブクラス スタンダードクラス
座席数

20席 15ルーム
(シングル10室、ツイン5 室)

80席 300席
座席長 1-2-1 1-2-1 3-4-3(1階席)
2-4-2(2階席)
座席長 210cm 150cm 90cm
座席幅 90cm 85cm 50cm
座席リクライニング傾斜度 130度/座席とは別のフルフラットベッド 130度/フルフラットベッド 115度
ベッド幅 90cm 85cm
ベッド長 200cm 195cm
モニターサイズ 25インチ 16インチ 12インチ
USBポート 全座席 全座席 全座席
AC電源 全座席 全座席 全座席

 


機材スペック
  • 全長:72.7m
  • 全高:24.1m 全幅:79.8m
  • 主翼面積:850 ㎡
  • 最大離陸重量:550t
  • 巡航速度(マッハ):0.85(高度11,000m)
  • 最大巡航速度(マッハ):0.89(高度12,500m)
  • 最大巡航高度:13,100m
  • 航続距離:15,500km(満席時)
備考

上記の情報は、広報室スタッフによる社内の国際線事業部門、C390の運航企画担当者、エアクルーズ社のC390開発部営業部門へのヒアリングをまとめたものである。

参考

■ 航空機市場予測

  • 旅客輸送は年間平均約5%の成長が見込まれ、今後20年間で約3倍の規模に拡大する。
  • 輸送量の増加で今後はより燃費効率の高い、環境に配慮した航空機の需要が高まる。
  • 2027年までに世界の航空機の平均燃料消費量は、乗客一人を100km運ぶのに約3 リットル程度になると見込まれている。
  • 旅客機需要が最も増大する地域はアジア太平洋地域で、全世界の需要の31%を占める。その次は北米で27%、そして欧州が24%となる。
  • 大都市周辺の人口が増加し続け、ある特定の地域に需要が集中する傾向になっている。それによって航空輸送における需要の集中も加速する。この問題の解決策の1つとして、従来の使用機材よりも大型の機材の使用が挙げられる。
  • 2006年末時点で、長距離旅客輸送の77%が32の大都市のハブ空港同士を結ぶ路線で占められている。

■ 2007年訪日外国人旅客数・出国日本人数動向

  • 2007年の訪日外国人旅客数は、前年比13.8%増の834万7,000人。過去最高の訪日外国人旅客数を記録。
  • 米国を除く主要地域(韓国、台湾、中国、香港、タイ、シンガポール、豪州、カナダ、英国、ドイツ、フランス)で過去最高を記録した。
  • 目的別では、観光客は前年比18.3%増の595万4,180人で全体の73.4%を占めた。商用客は同3.5%増の157万5,858人となった。
  • 過去最高の訪日外国人旅客数を記録した要因は、円安基調、航空座席供給量の増加、査証緩和措置の効果などが考えられる。
  • 2007年の出国日本人数は前年比1.4%減の1,729万5,000人。史上第4位の出国日本人数を記録。
  • 出国日本人数減少の要因は円安基調で推移したため、海外旅行に割高感が生じたためと推測される。年齢別に見ると、60歳以上の出国者数は増加したものの、40歳未満の出国者数が減少した。

出典:JNTO( 国際観光振興機構)「訪日外客数・出国日本人数(2007年確定値)」より

会社概要
  • 社名:スカイウエイ株式会社
  • 代表者:村田吉郎(代表取締役社長)
  • 住所:港区赤坂×-×-×
  • 広報室:電話03-2222-×××× FAX03-2222-××××
  • 担当 佐藤、田中
  • お客様相談センター:電話0120-888-×××(フリーダイヤル)
  • ホームページ:http:skyway.co.jp
写真
  • C390 機材外観
  • C390 キャビン内観

※ 上記の会社、製品及び関連データは、全て架空のものです。

課題B : 広報・PR計画の立案作成 (コーポレート課題)

日本の製薬市場は、市場全体としては世界第2位の規模を誇っているが、世界を代表する海外の製薬メーカー に匹敵するだけの大企業は存在しない。海外の製薬会社メーカーは、合併やM&Aによって巨大企業に成長してきたが、日本はその面での進展が遅れているため 海外企業と比較して企業規模が小さく、今後の世界的な市場動向によっては海外の大企業に買収されるケースもありうると言われてきた。 このため厚生労働省は2007年に「新医薬品産業ビジョン」を発表し、国際競争力の強化を主眼に国内製薬メーカーに対し合併、統合を視野に入れた戦略を求 める提言を行なっている。 このような状況の中で、カゼ薬・胃腸薬などの大衆薬分野を中心の堅実な地盤を持つ中堅製薬会社、アトムス製薬(東証、大証1部)は、医家向け薬品の製造・ 販売や医療器具なども扱い海外への輸出も行っている南北ファーマシー(東証2部)と提携し業容の拡大を図る一方、両社のシナジー効果により競争力を強めよ うとする戦略を模索していた。 水面下での話し合いは数年越しであったが、双方のトップが友好を深める中で、このほど将来の合併を視野に入れた形での提携が実現するめどがついた。 こうした状況を受け、以下の「主な経緯と今後の予定」、「合併をめぐる状況」、「会社概要」をもとにアトムス製薬株式会社としての今後、正式合併に至るま での広報・RR計画を立案、作成しなさい。

主な経緯と今後の予定

2009年4月21日、両社のトップが会談し、近い将来の合併を視野に入れた提携を確認。 同25日、両社は、取締役会を開催し、相互に株式を持ち合うことを決定。今後の具体案については両社の担当役員および一部の幹部社員により構成される両社提携委員会で詰めていく方針を確認した。

合併をめぐる状況

両社は、現在、一定のシェアを持ち堅実な経営を行ってはいるが、将来の成長につながる研究開発体制、資金調達などの面での不安をかかえている。幸い、両社 の業態は競合しないため提携から合併へという計画が順調に進めば、(1) 株式市場や各方面のステークホルダーの信頼が高まる。(2) 中小乱立の業界の中で、一歩抜 きんでた企業となりうる。(3) 海外メーカーのM&A戦略にも対処できるなどの展望が開ける、などのメリットが期待される。しかしながら提携から合併へ進むと いう作業は、調整を要する課題が多々予想されている。

会社概要

■ アトムス製薬株式会社(東証、大証1部)

本社 : 東京都港区○○(創業58年)
製造拠点 : 国内4工場、支社、大阪、広島、名古屋、福岡、仙台、以上5ヵ所
売上高 : 64,590(百万円)(平成19年度実績)
主な事業 : カゼ薬、胃腸薬、ビタミン剤などの大衆薬、ヘルケア製品の製造・販売
従業員 : 2,200人
概況 : 1950年、大阪で創業、高度成長期に飛躍し業容を拡げた。

■ 南北ファーマシー株式会社(東証2部)

本社 : 東京都品川区○○(創業50年)
製造拠点 : 国内3工場、支社7、海外支店4
売上高 : 92,400(百万円)(平成19年度実績)
主な事業 : 医家向け製品の製造・販売、医療器具の製造・販売、輸出入
従業員 : 1,600人
概況 : 1958年、東京で創業。医療器具の開発に力を入れ発展した。

※上記の会社、製品及び関連データは、全て架空のものです。


課題B : 広報・PR計画の立案作成 (マーケティング課題)

以下の商品について、市場導入後から発売後6ヶ月までの広報・PRプランを立案作成しなさい。

メタボリック症候群対策を始めとする健康志向の浸透に伴い、食品市場では、カロリーゼロ、糖質、脂肪「ゼロ食品」が続々と登場し熾烈な競争を繰り広げている。 市場調査会社○社の調べでは、メタボ対策商品・サービス市場は、2009年には、前年比22.2%の伸びで、約1兆900億円にまで拡大する見込みである。
このような状況の中で、業界中堅の飲料会社Z社は、「糖質ゼロ」+「上品な甘み」(注1)+「ヒアルロン酸」により、飲みやすさと健康志向を兼ね備えた新 飲料「ヒアルビューティ」を開発し新たな市場を開拓することを決めた。 当製品の最大の特長は、軟骨の機能維持に重要な役割を果たし、優れた保水性により肌の張りにも影響を与えるとされている「ヒアルロン酸」(詳細:添付資料)を適正量含んでいることで、これまでにサプリメントや健康食品に配合される例があるが飲料に配合されるのは今回が初めてである。
「ヒアルビューティ」は、350mlアルミ缶で、希望小売価格は、130円。09年5月上旬から発売予定。当初は首都圏を対象として浸透を図っていく。
なお、同社は、一昨年より「糖質ゼロ」のノンアルコールビール「ゼロゼロ7」を発売し、同カテゴリー市場で、売上高第3位の地位をキープしている。
今回の新商品投入は、ノンアルコールビール市場での価格競争の激化により収益にかげりが出てきたため新たに女性市場への浸透を図っていく戦略によるものである。
(注)砂糖の数百倍の甘さを感じさせる甘味料「スクラロース」(厚生労働省認可)+香料(同)を配合。

参考データ

ヒアルロン酸 (hyaluronic acid)

グリコサミノグリカン(ムコ多糖)の一種。学術上は、ヒアルロナン(hyaluronan)と呼ばれる。Nアセチルグルコサミンとグルクロン酸 (GlcNAcβ1-4GlcAβ1-3)の二糖単位が連結した構造をしている。生体内では分子量が100万以上あると言われている。
関節、硝子体、皮膚、脳など広く生体内に見られ、特に関節軟骨では、アグリカン、リンクタンパク質と非共有結合し超高分子複合体を作って、軟骨の機能維持に極めて重要な役割をしている。 鶏冠、臍帯などから良質のヒアルロン酸が抽出されるが、最近では乳酸菌や連鎖球菌により大量生産された。関節炎や角結膜上皮障害の治療薬として利用されているほか、化粧品などに保湿成分として添加される。健康食品に配合されることもある。
ヒアルロン酸は、保水性が非常に高いため、化粧水や美容液などの保湿成分として配合されることもある。
経口摂取も可能であるため、サプリメントや食品に配合されていることも多い。 さらに、ヒアルロン酸を皮下注射した場合、一定期間(半年前後)は吸収されずにそこにとどまり皺を伸ばす効果があるため、皺とり治療として美容外科や皮膚科で注射治療が行われる。

※上記の会社、製品及び関連データは、全て架空のものです